耳から覚える四字熟語 レッスン5 テキスト


阿鼻叫喚(びきょうかん)
阿弥陀仏(あみだぶつ)の「阿」、目鼻口の「鼻」、絶叫の「叫」、証人喚問の「喚」、と書いて阿鼻叫喚。
地獄にも匹敵するような甚だしく悲惨な状況に陥り、泣き叫んでいるさま。「阿鼻」とは仏教でいう無間地獄(むけんじごく)のこと。「叫喚」は大声で叫び、わめくこと。


安寧秩序(あんねいちつじょ)
安心の「安」、丁寧の「寧」、社会の秩序の「秩序」、と書いて安寧秩序。
社会の秩序が保たれており、平穏な状態で安定していること。


唯唯諾諾(いいだくだく)
唯一の「唯」を二つ、承諾の「諾」を二つ書いて唯唯諾諾。
物事の良し悪しにかかわらず何事でも、「はい、はい」と人の言いなりになるさま。


意気阻喪(いきそそう)
意識の「意」、気合いの「気」、阻止の「阻」、喪失の「喪」、と書いて意気阻喪。
意気込みがくじけて、元気を失ってしまうこと。


異国情緒(いこくじょうちょ)
異国へ旅立つの「異国」、下町情緒の「情緒」、と書いて異国情緒。
いかにも外国らしい雰囲気や趣のこと。「いこくじょうしょ」とも読む。


一言居士(いちげんこじ)
漢数字の「一」、言語の「言」、住居の「居(きょ)」、武士の「士」、と書いて一言居士。
何事に対しても、自分の意見を一言でも言わないと気が済まない人のこと。「いちごんこじ」とも読む。


一期一会(いちごいちえ)
漢数字の「一」、一学期の「期」、漢数字の「一」、講演会の「会」、と書いて一期一会。
一生に一度だけの機会や出会いのこと。また、機会や出会いを生涯に一度だけだと思って大切にすることのたとえ。


一汁一菜(いちじゅういっさい)
漢数字の「一」、味噌汁の「汁」、漢数字の「一」、野菜の「菜」、と書いて一汁一菜。
粗末、又は質素な食事のたとえ。一つの汁物と一つのおかず。


一目瞭然(いちもくりょうぜん)
漢数字の「一」、目鼻口の「目」、明瞭の「瞭」、自然の「然」、と書いて一目瞭然。
一目見るだけではっきりとわかること。


一粒万倍(いちりゅうまんばい)
漢数字の「一」、粒子の「粒」、漢数字の「万」、二倍三倍の「倍」、と書いて一粒万倍。
一粒の種で、万倍もの収穫を得ることができるということから、少しのものから多くの利益を得るたとえ。また、少しのものだからといって粗末にはできないという戒めとしても使われる。


一殺多生(いっせつたしょう)
漢数字の「一」、殺害の「殺」、多数決の「多」、一生涯の「生」、と書いて一殺多生。
多くの人を生かすために、やむを得ず一人の人を犠牲にすること。


隠忍自重(いんにんじちょう)
隠居の「隠」、忍耐の「忍」、自分の「自」、に「重たい」、と書いて隠忍自重。
怒りや苦しみなどをじっと我慢して、軽々しい行動を慎(つつし)むこと。


羽化登仙(うかとうせん)
羽毛布団の「羽」、化石の「化」、登山の「登」、仙人の「仙」、と書いて羽化登仙。
酒を飲むなどをして、良い気分になることのたとえ。人間の体に羽が生えて、仙人となり天に昇っていくということから。


海千山千(うみせんやません)
広い海の「海」、漢数字の「千」、高い山の「山」、漢数字の「千」、と書いて海千山千。
様々な経験を積んだ結果、世の中の表も裏も知り尽くしていて悪賢いこと。また、そのようなしたたかな人。海に千年、山に千年すんだ蛇は竜になるという言い伝えから。


雲泥万里(うんでいばんり)
雲泥の差の「雲泥」、万里の長城の「万里」、と書いて雲泥万里。
天と地ほどの甚だしい隔たりがあること。非常に大きな差があること。


会者定離(えしゃじょうり)
会釈の「会」、第三者の「者」、定規の「定」、離別の「離」、と書いて会者定離。
この世で出会うものとは、いつか必ず離れる運命にあるということ。人生の無常をあらわすことば。


怨憎会苦(おんぞうえく)
怨念の「怨」、憎悪の「憎」、会釈の「会」、苦難の「苦」、と書いて怨憎会苦。
怨んだり憎んだりする人にも、会わなければならない苦しみのこと。仏教でいう四苦八苦のうちの一つ。


開眼供養(かいげんくよう)
窓を開くの「開く」、眼球の「眼」、お供え物の「供える」、養育費の「養」、と書いて開眼供養。
新たに作った仏像や仏画に、目を描きこみ仏の魂を迎え入れるという儀式のこと。


海誓山盟(かいせいさんめい)
海水浴の「海」、神に誓うの「誓う」、山脈の「山」、同盟国の「盟」、と書いて海誓山盟。
海や山のように永久に変わることのない、堅い誓いのこと。男女間の愛情の誓いにも用いられる。


快刀乱麻(かいとうらんま)
快活の「快」、刀狩りの「刀」、混乱の「乱」、麻酔の「麻」、と書いて快刀乱麻。
こじれた物事をてきぱきと処理し解決すること。乱れた麻の糸を、切れ味のよい刀で断ち切るということから。


合従連衡(がっしょうれんこう)
合体の「合」、服従の「従」、連合の「連」、均衡を保つの「衡」、と書いて合従連衡。
合従策と、連衡策。転じて、その時の状況に応じて団結したり、離れたりすること。また、そのような外交上の駆け引きのこと。


夏炉冬扇(かろとうせん)
春夏秋冬の「夏」、暖炉の「炉」、春夏秋冬の「冬」、扇子の「扇」、と書いて夏炉冬扇。
夏の囲炉裏と冬の扇(おうぎ)ということから、時期外れで役に立たないもののたとえ。


汗牛充棟(かんぎゅうじゅうとう)
汗をかくの「汗」、牛乳の「牛」、充実の「充」、病棟の「棟」、と書いて汗牛充棟。
蔵書が非常に多いこと。牛車に本を積むと、牛が汗をかくほどに重く、家の中に積み上げれば棟木(むなぎ)まで届くほど多いということから。


頑固一徹(がんこいってつ)
頑固親父の「頑固」、漢数字の「一」、徹夜の「徹」、と書いて頑固一徹。
極めてかたくなで、最後まで自分の態度や考えを押し通すさま。


閑話休題(かんわきゅうだい)
閑散とした町の「閑」、話題の「話」、休日の「休」、題名の「題」、と書いて閑話休題。
話を本筋に戻すときに使用することば。無駄な話はさておいて。それはさておき。「閑話」は無駄話のこと。「休題」は話をやめること。


気宇壮大(きうそうだい)
元気の「気」、宇宙の「宇」、壮絶の「壮」、大小の「大」、と書いて気宇壮大。
物事に対する心意気がきわめて大きく、立派であること。


興味津津(きょうみしんしん)
興味があるの「興味」、に津波の「津」を二つ書いて興味津津。
非常に興味があること。次々と興味がわいて、尽きないさま。


謹厳実直(きんげんじっちょく)
謹慎処分の「謹」、威厳の「厳」、実行の「実」、直立の「直」、と書いて謹厳実直。
人柄が非常に慎み深く、まじめなさま。


偶像崇拝(ぐうぞうすうはい)
偶然の「偶」、虚像の「像」、に「崇(あが)める」「拝む」、と書いて偶像崇拝。
偶像を宗教的対象として崇拝すること。「偶像」は神や仏にかたどって作った像。また、崇拝や盲信の対象とされるもののこと。


軽挙妄動(けいきょもうどう)
軽自動車の「軽」、挙手の「挙」、妄想の「妄」、動物の「動」、と書いて軽挙妄動。
よく考えずに、軽はずみに行動すること。


減価償却(げんかしょうきゃく)
増減の「減」、価格の「価」、罪を償うの「償う」、返却の「却」、と書いて減価償却。
使用や時間の経過とともに生じた固定資産の価値の減少分を、決算期毎に定められた方法により費用として配分する会計上の手続きのこと。


堅忍不抜(けんにんふばつ)
堅実の「堅」、忍耐の「忍」、不可能の「不」、抜群の「抜」、と書いて堅忍不抜。
どんなに困難や誘惑があっても、耐え忍んで心を動かさないこと。


綱紀粛正(こうきしゅくせい)
綱引きの「綱」、二十一世紀の「紀」、静粛の「粛」、正義の「正」、と書いて綱紀粛正。
政治の方針や、政治家・役人などの乱れた態度をただすこと。


巧遅拙速(こうちせっそく)
巧妙な手口の「巧」、遅刻の「遅」、稚拙(ちせつ)の「拙」、迅速の「速」、と書いて巧遅拙速。
上手だけど遅い、よりも、下手だけど速い、のほうが良いということ。「巧遅」は上手だけど遅いこと。「拙速」は下手だけど速いこと。


荒唐無稽(こうとうむけい)
荒々しいの「荒い」、唐辛子の「唐」、無理の「無」、稽古の「稽」、と書いて荒唐無稽。
言説などに根拠がなく、現実性の無いこと。でたらめであること。


極楽浄土(ごくらくじょうど)
極上の「極」、楽園の「楽」、浄化の「浄」、土木の「土」、と書いて極楽浄土。
仏教で、阿弥陀仏がいるとされる苦しみのない世界のこと。


誇大妄想(こだいもうそう)
誇大広告の「誇大」、被害妄想の「妄想」、と書いて誇大妄想。
自分の地位や能力を実際より過大に評価し、他人より優れていると思いこむこと。


山河襟帯(さんがきんたい)
山脈の「山」、運河の「河」、開襟シャツの「襟」、携帯電話の「帯」、と書いて山河襟帯
山が襟(えり)のように囲んでそびえ立ち、河が帯のように巡り流れているということから、自然の要害のことをいう。


詩歌管弦(しいかかんげん)
詩人の「詩」、歌手の「歌」、管楽器の「管」、弦楽器の「弦」、と書いて詩歌管弦。
漢詩や和歌を吟じ、笛や琴などの楽器を演奏すること。また、文学と音楽のこと。


時期尚早(じきしょうそう)
時間の「時」、一学期の「期」、高尚な趣味の「尚」、早期発見の「早」、と書いて時期尚早。
その事を行うには、まだ時期が早すぎること。


自縄自縛(じじょうじばく)
自分の「自」、縄文時代の「縄」、自分の「自」、束縛の「縛」、と書いて自縄自縛。
自分の縄で自分を縛るということから、自分の心がけや言動によって自由に振る舞うことができなくなり、苦しむこと。


質実剛健(しつじつごうけん)
本質の「質」、真実の「実」、剛毛の「剛」、健康診断の「健」、と書いて質実剛健。
飾り気がなく真面目で、なおかつ心身ともに強くて丈夫なさま。「質実」は飾り気がなく真面目なこと。「剛健」は心身ともに強くて丈夫なこと。


疾風迅雷(しっぷうじんらい)
疾病の「疾」、台風の「風」、迅速の「迅」、雷雨の「雷」、と書いて疾風迅雷。
速い風と激しい雷ということから、行動などが速くて激しいさま。


遮二無二(しゃにむに)
遮断の「遮」、漢数字の「二」、無理の「無」、漢数字の「二」、と書いて遮二無二。
がむしゃらに一つの物事に取り組むこと。「遮二」は二を遮ること。「無二」は二が無いということ。


秋霜烈日(しゅうそうれつじつ)
春夏秋冬の「秋」、霜柱の「霜」、猛烈の「烈」、休日の「日」、と書いて秋霜烈日。
秋の冷たい霜と、夏の強く照りつける太陽ということから、刑罰・権威・節操などが非常に厳しく、おごそかであるさま。


周知徹底(しゅうちてってい)
周囲の「周」、知識の「知」、徹底的の「徹底」、と書いて周知徹底。
世間一般として、すみずみにまで広く知れ渡るようにすること。


自由奔放(じゆうほんぽう)
自由の女神の「自由」、奔走の「奔」、放置の「放」、と書いて自由奔放。
周りのことは気にせず、自分の思うがままに行動するさま。


春宵一刻(しゅんしょういっこく)
春夏秋冬の「春」、今宵は月が綺麗だの「宵」、漢数字の「一」、時刻の「刻」、と書いて春宵一刻。
春の夜はとても趣深く、一刻が千金にも値するほど貴重であるということ。「春宵一刻値千金(しゅんしょういっこくあたいせんきん)」の略。


叙位叙勲(じょいじょくん)
叙述の「叙」、世界第一位の「位」、叙述の「叙」、勲章の「勲」、と書いて叙位叙勲。
位階や勲章などを授けること。また、それらを与えられること。


盛者必衰(じょうしゃひっすい)
商売繁盛の「盛」、第三者の「者」、必要の「必」、衰退の「衰」、と書いて盛者必衰。
勢いの盛んな者も、いつかは必ず衰える時がくるということ。


情状酌量(じょうじょうしゃくりょう)
情報の「情」、状況の「状」、お酌の「酌」、数量の「量」、と書いて情状酌量。
裁判の判決にあたって、被告人に同情すべき点などを酌み取って刑罰を軽くすること。


精進潔斎(しょうじんけっさい)
精密の「精」、進化の「進」、潔白の「潔」、書斎の「斎」、と書いて精進潔斎。
肉食や飲酒、その他、行いを慎むことによって心身を清めること。


正真正銘(しょうしんしょうめい)
正直の「正」、写真の「真」、正直の「正」、銘柄の「銘」、と書いて正真正銘。
嘘偽りがまったくないこと。本物であること。


少壮気鋭(しょうそうきえい)
少年の「少」、壮大な計画の「壮」、気合いの「気」、鋭利の「鋭」、と書いて少壮気鋭。
年が若くて、意気盛んなようす。「少壮」は二十代、三十代の意気盛んな年頃のこと。「気鋭」は意気込みが鋭いこと。


枝葉末節(しようまっせつ)
木の枝の「枝」、葉っぱの「葉」、結末の「末」、節分の「節」、と書いて枝葉末節。
物事の主要ではない、些細な部分のこと。「枝葉」は枝と葉。「末節」は木の末のあたりの節のことで、ともに主要ではない、些細な部分のたとえ。


紳士淑女(しんししゅくじょ)
紳士服の「紳士」、に「淑(しと)やかな女性」と書いて紳士淑女。
礼儀正しく、品格のある男性と女性のこと。


迅速果断(じんそくかだん)
迅速な対応の「迅速」、結果の「果」、決断の「断」、と書いて迅速果断。
物事をすばやく、思い切って決断・実行すること。


森羅万象(しんらばんしょう)
森林の「森」、羅列の「羅」、漢数字の「万」、現象の「象」、と書いて森羅万象。
宇宙に存在するすべての物事。


生生流転(せいせいるてん)
生活の「生」が二つに、流浪の「流」、回転寿司の「転」、と書いて生生流転。
万物は絶えず生死を繰り返し、変化しつづけること。「しょうじょうるてん」とも読む。


勢力伯仲(せいりょくはくちゅう)
勢いよく飛び出すの「勢い」、能力の「力」、画伯の「伯」、仲裁に入るの「仲」、と書いて勢力伯仲。
両者の力にほとんど差がなく、優劣がつけにくいこと。


責任転嫁(せきにんてんか)
責任をとるの「責任」、回転寿司の「転」、お嫁さんの「嫁」、と書いて責任転嫁。
自分が負わなければならない責任を、他人になすりつけること。


刹那主義(せつなしゅぎ)
刹那的の「刹那」、主義主張の「主義」、と書いて刹那主義。
今のこの瞬間が充実していればよいとする考え方。「刹那」は極めて短い時間のこと。


前代未聞(ぜんだいみもん)
前後左右の「前」、世代の「代」、未来の「未」、話を聞くの「聞く」、と書いて前代未聞。
今までに聞いたことがないこと。非常に珍しいことや、大変な出来事にいう。


即身成仏(そくしんじょうぶつ)
即座の「即」、身体の「身」、成功の「成」、仏像の「仏」、と書いて即身成仏。
人が生きたまま究極の悟りをひらき、仏になること。


大喝一声(だいかついっせい)
大小の「大」、部下達を一喝するの「喝」、漢数字の「一」、大きな声の「声」、と書いて大喝一声。
大きく、一声で叱りつけること。


大願成就(たいがんじょうじゅ)
大小の「大」、願望の「願」、成功の「成」、就職の「就」、と書いて大願成就。
大きな願いがかなうこと。「大願」は大きな願いのこと。「成就」は願いがかなうこと。


大器小用(たいきしょうよう)
大小の「大」、器量の「器」、大小の「小」、用意周到の「用」、と書いて大器小用。
優れた才能を持った人に、つまらない仕事をさせること。人材を使いこなせていないことをいう。


大言壮語(たいげんそうご)
大小の「大」、言語の「言」、壮大な計画の「壮」、言語の「語」、と書いて大言壮語。
自分の実力以上の大きなことや威勢のいいことを言うこと。また、その言葉。


大悟徹底(たいごてってい)
大小の「大」、悟りを開くの「悟り」、徹底的の「徹底」、と書いて大悟徹底。
煩悩や迷いを完全に断ち切り、悟りきること。


泰山北斗(たいざんほくと)
安泰の「泰」、登山の「山」、北斗七星の「北斗」、と書いて泰山北斗。
ある一つの分野で大家(たいか)として最も尊ばれる人。また、ある分野の第一人者。「泰山」は中国の名高い山のこと。「北斗」は北斗七星のことで、どちらも人々が仰ぎ見る存在であることから。


泰然自若(たいぜんじじゃく)
安泰の「泰」、自然の「然」、自分の「自」、若年の「若」、と書いて泰然自若。
落ち着いていて何事にも動じないさま。


津津浦浦(つつうらうら)
津波の「津」を二つ、浦和の「浦」を二つ書いて津津浦浦。
いたる所の港や海岸。また、全国いたる所。「津」は港のこと。「浦」は海岸や海辺のこと。


低唱微吟(ていしょうびぎん)
低気圧の「低」、合唱コンクールの「唱」、微妙の「微」、詩吟の「吟」、と書いて低唱微吟。
しんみりと小さな声で歌を歌うこと。


天涯孤独(てんがいこどく)
天井の「天」、一生涯の「涯」、孤独な生活の「孤独」、と書いて天涯孤独。
身寄りが一人もいないこと。また、故郷から遠く離れたところで一人で暮らすこと。


天下泰平(てんかたいへい)
天井の「天」、上下の「下」、安泰の「泰」、平和の「平」、と書いて天下泰平。
世の中がよく治まり、平和であること。また、心配事がなく、のんびりしているさま。


東奔西走(とうほんせいそう)
東西南北の「東」、奔走の「奔」、東西南北の「西」、奔走の「走」、と書いて東奔西走。
仕事や用事で、あちこち忙しく駆け回ること。


徒手空拳(としゅくうけん)
徒労の「徒」、手足の「手」、空気の「空」、拳銃の「拳」、と書いて徒手空拳。
手に何も持っていないこと。また、自分の身一つで、資金や地位など頼るものがないこと。


内柔外剛(ないじゅうがいごう)
内外の「内」、柔道の「柔」、内外の「外」、剛毛の「剛」、と書いて内柔外剛。
内面は弱いが、外見は強そうに見えること。対義語に「外柔内剛(がいじゅうないごう)」がある。


内政干渉(ないせいかんしょう)
内外の「内」、政治の「政」、他人の私生活に干渉するの「干渉」、と書いて内政干渉。
他国が、ある国の政治や外交に対して、口出しをすること。


内疎外親(ないそがいしん)
内外の「内」、疎遠の「疎」、内外の「外」、親近感の「親」、と書いて内疎外親。
内心は嫌っているが、表面上では親しくすること。


内憂外患(ないゆうがいかん)
内外の「内」、憂鬱の「憂」、内外の「外」、入院患者の「患」、と書いて内憂外患。
国内の心配事と、外国との間に起こる心配事。内にも外にも心配事が多いこと。


二律背反(にりつはいはん)
漢数字の「二」、法律の「律」、背面の「背」、反対の「反」、と書いて二律背反。
二つの矛盾する命題が、同等の権利や妥当性をもって主張されること。


破邪顕正(はじゃけんしょう)
破壊の「破」、邪悪の「邪」、顕著の「顕」、正義の「正」、と書いて破邪顕正。
誤った考え方を打ち破り、正しい考え方を明らかにすること。「はじゃけんせい」とも読む。


百戦錬磨(ひゃくせんれんま)
漢数字の「百」、戦争の「戦」、錬金術の「錬」、研磨剤の「磨」、と書いて百戦錬磨。
多くの実戦によって、鍛えられていること。


百花斉放(ひゃっかせいほう)
漢数字の「百」、花が咲くの「花」、国歌斉唱の「斉」、放出の「放」、と書いて百花斉放。
いろいろな花が一斉に咲くということから、人々によって文化・科学・芸術などの活動が自由に、または活発に行われること。


普遍妥当(ふへんだとう)
普遍的の「普遍」、妥当な判断の「妥当」、と書いて普遍妥当。
いかなる場合にも、全てのものに共通して当てはまるさま。


不偏不党(ふへんふとう)
不可能の「不」、偏見の「偏」、不可能の「不」、与党野党の「党」、と書いて不偏不党。
いずれの主義や党派に偏ることなく、公正・中立な立場をとること。


付和雷同(ふわらいどう)
付与の「付」、平和の「和」、雷神の「雷」、同調の「同」、と書いて付和雷同。
自分自身の主義や主張をもつことがなく、安易に他人の言動につられて同調すること。「付和」は定見をもたず、他人の意見に安易に賛成すること。「雷同」は雷が鳴ると、それに応じてものが響くように、他人の意見に同調すること。


粉骨砕身(ふんこつさいしん)
粉砕の「粉」、骨盤の「骨」、粉砕の「砕」、身体検査の「身」、と書いて粉骨砕身。
骨を粉にし、身を砕くということから、力の限り努力をすること。また、力の限り一所懸命働くこと。


弊衣破帽(へいいはぼう)
疲弊の「弊」、衣服の「衣」、破裂の「破」、帽子をかぶるの「帽」、と書いて弊衣破帽。
ぼろぼろになった洋服と破れた帽子。身なりを気にしない、粗野なさま。特に、旧制高校の生徒の間で流行した蛮カラな服装をいう。


忙中有閑(ぼうちゅうゆうかん)
繁忙期の「忙」、中央の「中」、有名人の「有」、閑静な住宅街の「閑」、と書いて忙中有閑。
忙しいときであっても、わずかな暇ぐらいはあるものだということ。


物見遊山(ものみゆさん)
物事の「物」、辺りを見るの「見る」、遊園地の「遊」、山脈の「山」、と書いて物見遊山。
あちこち見物して遊び回ること。


唯我独尊(ゆいがどくそん)
唯一の「唯」、我慢の「我」、独立の「独」、尊敬の「尊」、と書いて唯我独尊。
「天上天下(てんじょうてんげ)唯我独尊」の略。この世で自分一人だけが優れていると、うぬぼれること。


唯一無二(ゆいいつむに)
唯一の楽しみの「唯一」、無理の「無」、漢数字の「二」、と書いて唯一無二。
この世にただ一つであって、二つとないこと。


悠悠閑閑(ゆうゆうかんかん)
悠長の「悠」を二つ、閑静な住宅街の「閑」を二つ書いて悠悠閑閑。
急がず、ゆっくりとしたさま。のんびり、ゆっくりしている様子。


悠悠自適(ゆうゆうじてき)
悠長の「悠」を二つ、自分の「自」、快適の「適」、と書いて悠悠自適。
俗世間のさまざまなことに煩わされることなく、心静かに生活すること。


竜頭蛇尾(りゅうとうだび)
恐竜の「竜」、先頭に立つ「頭」、蛇遣いの「蛇」、尾てい骨の「尾」、と書いて竜頭蛇尾。
はじめは竜のように勢いを保っていたものが、終わりの方になるにつれて蛇の尻尾のごとく振るわず、尻すぼみになっていく様子。


霊魂不滅(れいこんふめつ)
幽霊の「霊」、人間の魂の「魂」、永久に不滅の「不滅」、と書いて霊魂不滅。
人間の魂は肉体が滅びた後も、存続するという考え方。


六根清浄(ろっこんしょうじょう)
漢数字の「六」、根本的の「根」、清潔の「清」、空気を浄化するの「浄」、と書いて六根清浄。
六根、すなわち視覚、聴覚、嗅覚、味覚、触覚、意識から生じる迷いを断ち切り、心身が清らかになること。また、登山者や山で修行するものが唱える言葉のこと。


和衷協同(わちゅうきょうどう)
平和の「和」、折衷の「衷」、協力するの「協」、同姓同名の「同」、と書いて和衷協同。
心を一つにして、ともに力を合わせること。