耳から覚える四字熟語 レッスン4 テキスト


遺憾千万(いかんせんばん)
遺憾の意の「遺憾」、漢数字の「千」、漢数字の「万」、と書いて遺憾千万。
非常に残念に思うこと。心残りがとても多いこと。


衣冠束帯(いかんそくたい)
衣服の「衣」、王冠の「冠」、束縛の「束」、携帯電話の「帯」、と書いて衣冠束帯。
公家(くげ)の正装のこと。最上位の正装である「束帯」と、その束帯を簡略化した「衣冠」を組み合わせたことば。


意気衝天(いきしょうてん)
意識の「意」、気合いの「気」、衝突の「衝」、天井の「天」、と書いて意気衝天。
意気込みが、天を衝くほど盛んな状態。


意気揚揚(いきようよう)
意識の「意」、気合いの「気」、気分が高揚するの「揚」、を二つ書いて意気揚揚。
得意げで元気がよいさま。いかにも誇らしげな様子をいう。


異端邪説(いたんじゃせつ)
異世界の「異」、極端の「端」、邪悪の「邪」、説明の「説」、と書いて異端邪説。
正統とは認められない、よこしまな思想、信仰、学説などのこと。「異端」は一般的に認められた正統から外れていること。「邪説」はよこしまな主張や学説のこと。


一諾千金(いちだくせんきん)
漢数字の「一」、承諾の「諾」、漢数字の「千」、金曜日の「金」、と書いて一諾千金。
一度した承諾は、千金に値する重みがあるものだから、必ずそれを守らなくてはならないというたとえ。


一望千里(いちぼうせんり)
漢数字の「一」、希望の「望」、漢数字の「千」、里帰りの「里」、と書いて一望千里。
広々としていて、見晴らしがいいこと。


一喜一憂(いっきいちゆう)
漢数字の「一」、喜怒哀楽の「喜」、漢数字の「一」、憂鬱の「憂」、と書いて一喜一憂。
状況の変化に伴い、喜んだり不安になったりして落ち着かないこと。


一騎当千(いっきとうせん)
漢数字の「一」、騎馬戦の「騎」、選挙に当選するの「当」、漢数字の「千」、と書いて一騎当千。
一人で千人の敵を相手にできるほど強いこと。


意到筆随(いとうひつずい)
意識の「意」、到達の「到」、随筆の「筆」、随筆の「随」、と書いて意到筆随。
詩文などを書くときに、すらすらと心のままに筆が進むこと。


栄枯盛衰(えいこせいすい)
栄光の「栄」、枯渇の「枯」、盛大な拍手の「盛」、衰退の「衰」、と書いて栄枯盛衰。
栄えることと衰えること。また、栄えたり衰えたりする物事の、はかなさをいう。


屋上架屋(おくじょうかおく)
ビルの屋上の「屋上」、架空の「架」、屋上の「屋」、と書いて屋上架屋。
屋根の上に、さらに屋根を架けるということから、無駄なことを繰り返すたとえ。また、独創性のないたとえ。


温厚篤実(おんこうとくじつ)
温度の「温」、濃厚の「厚」、危篤の「篤」、実験の「実」、と書いて温厚篤実。
人柄が穏やかで、情にあつく誠実であるさま。


外柔内剛(がいじゅうないごう)
内外の「外」、柔軟の「柔」、内外の「内」、質実剛健(しつじつごうけん)の「剛」、と書いて外柔内剛。
外見は穏やかだが、心の内は意志が強くしっかりしていること。対義語に「内柔外剛(ないじゅうがいごう)」がある。


海内無双(かいだいむそう)
海水浴の「海」、内外の「内」、無理の「無」、双方向の「双」と書いて海内無双。
この世に二人と無いほど優れていること。


怪力乱神(かいりきらんしん)
怪物の「怪」、力量の「力」、混乱の「乱」、神様の「神」、と書いて怪力乱神。
理屈では解き明かせないような不思議な現象や存在のこと。「かいりょくらんしん」とも読む。


佳人薄命(かじんはくめい)
佳作の「佳」、人類の「人」、軽薄の「薄」、命日の「命」、と書いて佳人薄命。
美人は早死にしたり、不幸になったりすることが多いということ。類義語に「美人薄命(びじんはくめい)」がある。


感慨無量(かんがいむりょう)
感慨にふけるの「感慨」、無理の「無」、量産の「量」、と書いて感慨無量。
はかり知れないほど、深く身にしみて感じること。略して「感無量」ともいう。


緩急自在(かんきゅうじざい)
緩和の「緩」、急降下の「急」、自分の「自」、存在の「在」、と書いて緩急自在。
状況に応じて緩めたり引きしめたり、思うがままに操れること。


換骨奪胎(かんこつだったい)
交換条件の「換」、骨盤の「骨」、奪取の「奪」、受胎の「胎」、と書いて換骨奪胎。
先人の作品や発想などに、創意を加えて独自の作品とすること。


冠婚葬祭(かんこんそうさい)
王冠の「冠」、結婚の「婚」、葬式の「葬」、文化祭の「祭」、と書いて冠婚葬祭。
日本に古来から存在する四つの大きな儀式。元服・婚礼・葬式・祖先の祭礼のこと。


勧善懲悪(かんぜんちょうあく)
勧誘の「勧」、善悪の「善」、懲罰の「懲」、善悪の「悪」、と書いて勧善懲悪。
善事を勧め、悪事を懲らしめるということ。


肝胆相照(かんたんそうしょう)
肝臓の「肝」、大胆の「胆」、相談の「相」、照明器具の「照」、と書いて肝胆相照。
お互いに心の底からわかり合って、親しく付き合うこと。「肝胆」は肝臓と胆嚢(たんのう)のことで、転じて心の底ということ。


気炎万丈(きえんばんじょう)
元気の「気」、炎上の「炎」、漢数字の「万」、大丈夫の「丈」、と書いて気炎万丈。
燃え上がる炎のように、きわめて意気盛んであること。


規制緩和(きせいかんわ)
交通規制の「規制」、痛みを緩和するの「緩和」、と書いて規制緩和。
自由経済を活性化させることを目的とし、政府や自治体等が定めている認可や届出などの規制を緩くすること。


喜怒哀楽(きどあいらく)
喜劇の「喜」、激怒の「怒」、哀愁の「哀」、楽園の「楽」、と書いて喜怒哀楽。
喜び、怒り、哀しみ、楽しみ。人間が持つさまざまな感情のこと。


九牛一毛(きゅうぎゅうのいちもう)
漢数字の「九」、牛乳の「牛」、漢数字の「一」、髪の毛の「毛」、と書いて九牛一毛。
多数の中のきわめてわずかな部分。また、取るに足らない小さなこと。たくさんいる牛に生えた毛の中の一本ということから。


器用貧乏(きようびんぼう)
食器の「器」、業務用の「用」、貧乏な生活の「貧乏」、と書いて器用貧乏。
何事においてもある一定以上に器用であるため、一つのことに徹底的に集中することができず、結局のところ大成をしないこと。


空中楼閣(くうちゅうのろうかく)
空中に浮かぶの「空中」、蜃気楼(しんきろう)の「楼」、内閣総理大臣の「閣」、と書いて空中楼閣。
空中に建物を築き上げるような、根拠の無い物事や、架空の物事。「楼閣」は高くて立派な建物のこと。「くうちゅうろうかく」とも読む。


愚者一得(ぐしゃのいっとく)
愚問の「愚」、第三者の「者」、漢数字の「一」、損得の「得」、と書いて愚者一得。
愚か者でも多く考えていれば、一度くらいは名案をひねり出すことがあるということ。類義語に「千慮一得(せんりょのいっとく)」がある。


鯨飲馬食(げいいんばしょく)
捕鯨の「鯨」、飲食の「飲」、競馬の「馬」、飲食の「食」、と書いて鯨飲馬食。
鯨が飲み、馬が食べるように、多量の飲み食いをすること。類義語に「牛飲馬食(ぎゅういんばしょく)」がある。


鶏口牛後(けいこうぎゅうご)
鶏(にわとり)の卵の「鶏」、口を開けるの「口」、牛肉の「牛」、前後左右の「後」、と書いて鶏口牛後。
大きな組織の末端にいるよりは、小さな組織で長となったほうがよいということ。「鶏口となるも牛後となるなかれ」の略。「鶏口」は鶏(にわとり)の口のことで、小さな組織の長のたとえ。「牛後」は牛の尻のことで、大きな組織の末端のたとえ。


権謀術数(けんぼうじゅっすう)
権力の「権」、謀略の「謀」、技術の「術」、数学の「数」、と書いて権謀術数。
巧みに人を欺くための策略のこと。


巧言令色(こうげんれいしょく)
巧妙な手口の「巧」、言語の「言」、命令の「令」、特色の「色」、と書いて巧言令色。
口先だけでうまいことを言ったり、顔色をつくろったりして、人にこびへつらうこと。「巧言」は巧みに飾られた言葉。「令色」は気に入られるように顔色をとりつくろうこと。


高材疾足(こうざいしっそく)
高級品の「高」、材料の「材」、疾病の「疾」、手足の「足」、と書いて高材疾足。
すぐれた才知と手腕があること。知勇を兼ね備えた人のたとえ。「高材」はすぐれた才能のこと。「疾足」は足が速いこと。


高論卓説(こうろんたくせつ)
高級品の「高」、議論の「論」、卓越の「卓」、説明の「説」、と書いて高論卓説。
程度の高い意見や議論のこと。


国士無双(こくしむそう)
国民の「国」、武士の「士」、無理の「無」、双方向の「双」、と書いて国士無双。
国内で並ぶものがいないほど、優れた人物のこと。


孤軍奮闘(こぐんふんとう)
孤立の「孤」、軍隊の「軍」、興奮の「奮」、格闘の「闘」、と書いて孤軍奮闘。
援軍も無く孤立した状態の中で、懸命にたたかうこと。また、誰の支援も受けずに、一人で努力すること。


古今無双(ここんむそう)
古風の「古」、今日の「今」、無理の「無」、双方向の「双」、と書いて古今無双。
昔から今までに、匹敵するものがないこと。「無双」は並ぶものがないということ。


孤城落日(こじょうらくじつ)
孤立の「孤」、城壁の「城」、落第の「落」、休日の「日」、と書いて孤城落日。
孤立無援である城と、西側に沈みゆく夕日。勢いが衰えて、滅びゆくものの頼りなさにたとえる。


刻苦勉励(こっくべんれい)
時刻の「刻」、苦難の「苦」、勉強の「勉」、激励の「励」、と書いて刻苦勉励。
非常に苦労をして、学問などに努め、励むこと。


砂上楼閣(さじょうのろうかく)
砂場の「砂」、上下の「上」、蜃気楼の「楼」、内閣総理大臣の「閣」、と書いて砂上楼閣。
砂の上に建てる建物のごとく、基礎がしっかりしていないために長続きしない物事のたとえ。また、実現不可能な計画のたとえ。「楼閣」は高くて立派な建物のこと。


試行錯誤(しこうさくご)
試験の「試」、行動の「行」、時代錯誤の「錯誤」、と書いて試行錯誤。
試みと失敗を繰り返しながら、解決方法などを見いだすこと。


自業自得(じごうじとく)
自分の「自」、職業の「業」、自分の「自」、損得の「得」、と書いて自業自得。
自分がしたことの報いを、自分が受けること。一般的に、悪い報いを受ける場合にいう。


事後承諾(じごしょうだく)
事件の「事」、前後の「後」、依頼を承諾するの「承諾」、と書いて事後承諾。
承諾なしにされた行為の承諾を後から与えること。


士魂商才(しこんしょうさい)
武士の「士」、人間の魂の「魂」、商人の「商」、才能の「才」、と書いて士魂商才。
武士の心と、商人の才能を兼ね備えていること。「士魂」は武士の精神のこと。「商才」は商売の才能のこと。


時代錯誤(じだいさくご)
時代劇の「時代」、試行錯誤の「錯誤」、と書いて時代錯誤。
異なる時代の物事を、混同して考えること。また、時代遅れのこと。


雌伏雄飛(しふくゆうひ)
雌と雄の「雌」、平伏すの「伏す」、雌と雄の「雄」、飛行機の「飛」、と書いて雌伏雄飛。
将来の活躍を期待して人の下について従い、やがては盛んに羽ばたき活躍すること。「雌伏」は雌の鳥が雄の鳥に付き従うことから、将来の活躍を期待して人に付き従うこと。「雄飛」は雄の鳥が飛ぶように、勢い盛んに活躍すること。


四分五裂(しぶんごれつ)
漢数字の「四」、分裂の「分」、漢数字の「五」、分裂の「裂」、と書いて四分五裂。
ばらばらに分かれること。秩序や統一が無くなり、乱れるさま。


自暴自棄(じぼうじき)
自分の「自」、暴力の「暴」、自分の「自」、廃棄物の「棄」、と書いて自暴自棄。
失望や不満などでやけになり、自分を粗末に扱うさま。


車載斗量(しゃさいとりょう)
電車の「車」、積載量の「載」、北斗七星の「斗」、積載量の「量」、と書いて車載斗量。
非常に数が多いことのたとえ。車に載せ、斗(ます)で量るということから。


終始一貫(しゅうしいっかん)
終始変わらない姿勢の「終始」、一貫した考えの「一貫」、と書いて終始一貫。
態度や言動などが、始めから終わりまで変わらないこと。類義語に「首尾一貫(しゅびいっかん)」がある。


衆人環視(しゅうじんかんし)
民衆の「衆」、人々の「人」、循環の「環」、視力検査の「視」、と書いて衆人環視。
多くの人が周りを取り囲むようにして見ていること。「衆人」は多くの人ということ。「環視」は周りを取り囲んで見ること。


取捨選択(しゅしゃせんたく)
取得の「取」、ゴミを捨てるの「捨てる」、授業を選択するの「選択」、と書いて取捨選択。
必要なものや良いものを取り、不必要なものや悪いものを捨てること。


首尾一貫(しゅびいっかん)
首飾りの「首」、尾てい骨の「尾」、一貫した考えの「一貫」、と書いて首尾一貫。
態度や方針などが、始めから終わりまで変わらないこと。類義語に「終始一貫(しゅうしいっかん)」がある。


順風満帆(じゅんぷうまんぱん)
順序の「順」、風力発電の「風」、満タンの「満」、白い帆を張った船の「帆」、と書いて順風満帆。
追い風で船の帆がいっぱいに膨らむこと。転じて、物事が快調に進むさま。「順風」は追い風のこと。


職権濫用(しょっけんらんよう)
職業の「職」、権利の「権」、川が氾濫するの「濫」、男女兼用の「用」、と書いて職権濫用。
公務員などが職務上の権限を不当に、又は違法に扱うこと。


支離滅裂(しりめつれつ)
支障を来すの「支」、離別の「離」、破滅の「滅」、破裂の「裂」、と書いて支離滅裂。
ばらばらで、まとまりがないこと。筋道が立っていないさま。


深山幽谷(しんざんゆうこく)
深海魚の「深」、登山の「山」、幽霊の「幽」、深い谷の「谷」、と書いて深山幽谷。
ほとんど人が足を踏み入れていないような、奥深い自然のこと。


仁者不憂(じんしゃふゆう)
仁義の「仁」、第三者の「者」、不可能の「不」、憂鬱の「憂」、と書いて仁者不憂。
仁者は道理に従い、正しい道を行くので心配することがないということ。「仁者」は仁徳を身につけた人。情け深い人のこと。


神出鬼没(しんしゅつきぼつ)
神様の「神」、出没の「出」、赤鬼の「鬼」、出没の「没」、と書いて神出鬼没。
行動が自由自在で、素早く表れたり隠れたりすること。出没の予測がつかないさま。


新陳代謝(しんちんたいしゃ)
新聞の「新」、陳列の「陳」、世代交代の「代」、謝罪の「謝」、と書いて新陳代謝。
古いものが次第に無くなって、新しいものに入れ代わること。


深謀遠慮(しんぼうえんりょ)
深海魚の「深」、謀略の「謀」、遠慮するの「遠慮」、と書いて深謀遠慮。
遠い将来のことまで深く考えて、計画を立てること。


酔生夢死(すいせいむし)
酒に酔うの「酔う」、生活の「生」、夢中の「夢」、死別の「死」、と書いて酔生夢死。
酒に酔ったようにぼんやりと何もせず、むだに一生を終えること。


寸善尺魔(すんぜんしゃくま)
寸法の「寸」、善意の「善」、尺取虫の「尺」、悪魔の「魔」、と書いて寸善尺魔。
一寸の善と一尺の魔ということから、この世にはよいことが少なく、悪いことのほうが多いことのたとえ。また、よいことには邪魔が入りやすいこと。


生殺与奪(せいさつよだつ)
生存の「生」、殺傷の「殺」、授与の「与」、強奪の「奪」、と書いて生殺与奪。
生かすも殺すも、与えるも奪うも思いのままであること。絶対的な権力を握っているさま。


是非善悪(ぜひぜんあく)
是非を問うの「是非」、善悪の区別の「善悪」、と書いて是非善悪。
物事のよしあし、正しいことと正しくないこと。類義語に「是非曲直(ぜひきょくちょく)」がある。


千載一遇(せんざいいちぐう)
漢数字の「千」、積載量の「載」、漢数字の「一」、遭遇の「遇」、と書いて千載一遇。
千年に一度しか訪れそうもない、またとない機会。


全身全霊(ぜんしんぜんれい)
全身麻酔の「全身」、全身麻酔の「全」、幽霊の「霊」、と書いて全身全霊。
その人が持っている体力と精神力のすべてのこと。


先憂後楽(せんゆうこうらく)
先頭に立つの「先」、憂鬱の「憂」、前半後半の「後」、楽園の「楽」、と書いて先憂後楽。
人より先に心配し、人が楽しんだあとに自分が楽しむという、政治家の心がけを説いた言葉。転じて、先に心配事や大変なことを片付け、後で楽しむこと。


粗衣粗食(そいそしょく)
粗末の「粗」、衣服の「衣」、粗末の「粗」、食事の「食」、と書いて粗衣粗食。
粗末な衣服と粗末な食事。質素な生活や、貧しい生活をいう。


粗製濫造(そせいらんぞう)
粗悪の「粗」、製造の「製」、川が氾濫するの「濫」、製造の「造」、と書いて粗製濫造。
粗悪な製品をむやみにたくさん作ること。


大安吉日(たいあんきちじつ)
大小の「大」、安心の「安」、大吉の「吉」、休日の「日」、と書いて大安吉日。
陰陽道で、何かを行うのに最も縁起が良いとされる日。


大胆不敵(だいたんふてき)
大胆な行動の「大胆」、不可能の「不」、敵味方の「敵」、と書いて大胆不敵。
度胸がすわっていて、恐れを知らないこと。


多岐亡羊(たきぼうよう)
多少の「多」、分岐点の「岐」、亡命の「亡」、羊の毛の「羊」、と書いて多岐亡羊。
逃げた羊を追いかけたが分かれ道が多すぎて見失ってしまったという故事から、学問の道が多方面に分かれすぎていて、真理を見失いがちになるということ。また、方針が多すぎて、どれを選ぶべきかを迷うこと。


多情多恨(たじょうたこん)
多少の「多」、情熱の「情」、多少の「多」、怨恨の「恨」、と書いて多情多恨。
感じやすい心を持っているため、恨みや悲しみも多いこと。


天衣無縫(てんいむほう)
天井の「天」、衣服の「衣」、無理の「無」、裁縫箱の「縫」、と書いて天衣無縫。
人柄などが、飾り気なく自然であるさま。また、詩文などに技巧を凝らしたあとのようなわざとらしさが見えず、自然で美しいこと。天女の衣には人工の縫い目がないということから。


天下無双(てんかむそう)
天井の「天」、上下の「下」、無理の「無」、双方向の「双」、と書いて天下無双。
世界に並ぶものがないほど、すぐれているさま。


怒髪衝天(どはつしょうてん)
激怒の「怒」、髪の毛の「髪」、衝突の「衝」、天井の「天」、と書いて怒髪衝天。
髪の毛が逆立つほど、激怒するさま。


二者択一(にしゃたくいつ)
漢数字の「二」、第三者の「者」、取捨選択の「択」、漢数字の「一」、と書いて二者択一。
二つのうち、どちらか一つだけを選ぶこと。


白日昇天(はくじつしょうてん)
紅白の「白」、休日の「日」、昇格の「昇」、天井の「天」、と書いて白日昇天。
昼間に天に昇るということから、仙人になること。また、急に豊かで貴い人間になること。


複雑怪奇(ふくざつかいき)
複雑な気持ちの「複雑」、怪物の「怪」、奇妙の「奇」、と書いて複雑怪奇。
非常に複雑で分かりにくく、怪しく不思議なさま。


複雑多岐(ふくざつたき)
複雑な気持ちの「複雑」、多少の「多」、岐路に立つの「岐」、と書いて複雑多岐。
物事が複雑かつ多方面に分かれていて、分かりにくいさま。


夫唱婦随(ふしょうふずい)
夫婦の「夫(ふう)」、合唱コンクールの「唱」、夫婦の「婦」、追随の「随」、と書いて夫唱婦随。
夫が言いだし、妻がそれに従うということから、夫婦仲が非常によいことをいう。


文人墨客(ぶんじんぼっかく)
文章の「文」、人類の「人」、墨汁の「墨」、お客さんの「客」、と書いて文人墨客。
詩文や書画などといった風雅なものに携わる人をいう。「ぶんじんぼっきゃく」とも読む。


奮励努力(ふんれいどりょく)
興奮の「奮」、激励の「励」、努力するの「努力」、と書いて奮励努力。
気力を奮い立たせて懸命に励むこと。


平穏無事(へいおんぶじ)
平穏な世の中の「平穏」、無事におわるの「無事」、と書いて平穏無事。
何事もおきることがなく、日々の生活が安らかであるようす。


変幻自在(へんげんじざい)
変化の「変」、幻影の「幻」、自分の「自」、存在の「在」、と書いて変幻自在。
消えたり現れたり、またその姿を変えたりと、自由自在であるさま。


片言隻句(へんげんせきく)
ガラスの破片の「片」、言語の「言」、一隻の船の「隻」、俳句の「句」、と書いて片言隻句。
ちょっとした短い言葉のこと。ひとことふたこと。類義語に「一言半句(いちごんはんく)」がある。


傍若無人(ぼうじゃくぶじん)
傍聴席の「傍」、若い男性の「若い」、無理の「無」、人類の「人」、と書いて傍若無人。
人のことなどまるで気にせずに、自分勝手な振る舞いをすること。


明哲保身(めいてつほしん)
明治時代の「明」、哲学の「哲」、保険の「保」、身体の「身」、と書いて明哲保身。
聡明で道理に通じている人は、的確な判断で危険を避け、身を安全に保つということ。


滅私奉公(めっしほうこう)
消滅の「滅」、私利私欲の「私」、奉納の「奉」、公務員の「公」、と書いて滅私奉公。
私利私欲を捨てて、国や社会のために尽くすこと。


免許皆伝(めんきょかいでん)
運転免許の「免許」、皆勤賞の「皆」、伝説の「伝」、と書いて免許皆伝。
師匠が弟子に、武術や・芸道などの奥義を残らず伝授すること。


面目躍如(めんもくやくじょ)
表面の「面」、目的の「目」、活躍の「躍」、突如の「如」、と書いて面目躍如。
いかにもその人らしい姿が現れて、生き生きとしているさま。世間の評価がより一層高まるようす。


勇猛果敢(ゆうもうかかん)
勇気の「勇」、猛烈の「猛」、果敢に挑むの「果敢」、と書いて勇猛果敢。
勇ましく、そして力強く、思い切って行動するさま。


粒粒辛苦(りゅうりゅうしんく)
豆粒の「粒」を二つ、辛酸の「辛」、苦難の「苦」、と書いて粒粒辛苦。
穀物の一粒一粒が、農民の辛く苦しい努力の結晶であるということ。転じて、こつこつと苦労と努力を重ねていくこと。


良妻賢母(りょうさいけんぼ)
良質の「良」、妻子の「妻」、賢者の「賢」、母子の「母」、と書いて良妻賢母。
夫に対しては良き妻であり、子供に対しては賢い母であること。また、そのような女性のこと。


冷汗三斗(れいかんさんと)
冷蔵庫の「冷」、汗をかくの「汗」、漢数字の「三」、北斗七星の「斗」、と書いて冷汗三斗。
非常に恥ずかしい思いや、恐ろしい思いをして、体中から冷汗(ひやあせ)をかくこと。「冷汗」はひやあせのこと。「三斗」は量が多いことを誇張した表現。一斗は約十八リットル。


炉辺談話(ろへんだんわ)
暖炉の「炉」、周辺の「辺」、談話室の「談話」、と書いて炉辺談話。
囲炉裏(いろり)や暖炉でくつろぎながらするおしゃべりのこと。


和魂漢才(わこんかんさい)
平和の「和」、人間の魂の「魂」、漢字の「漢」、才能の「才」、と書いて和魂漢才。
日本固有の精神と中国伝来の学問。また、日本固有の精神を失うことなく、中国から伝わる学問を活用するべきであるということ。