耳から覚える四字熟語 レッスン3 テキスト


愛別離苦(あいべつりく)
愛情の「愛」、区別の「別」、離陸の「離」、苦難の「苦」、と書いて愛別離苦。
親子・兄弟・夫婦など愛する人との別れの苦しみ。仏教でいう四苦八苦のうちの一つ。


悪戦苦闘(あくせんくとう)
邪悪の「悪」、戦争の「戦」、苦難の「苦」、格闘の「闘」、と書いて悪戦苦闘。
強敵に対して死に物狂いで戦うこと。また、困難を乗り越えるために、苦しみながらも懸命に努力すること。


暗中飛躍(あんちゅうひやく)
暗黒の「暗」、中央の「中」、飛行機の「飛」、活躍の「躍」、と書いて暗中飛躍。
人に知られることがないようひそかに策動・活躍すること。略して暗躍ともいう。


意志薄弱(いしはくじゃく)
意志が弱いの「意志」、に「薄い」、「弱い」、と書いて意志薄弱。
意志が弱く忍耐力に欠けたり、決断や決行をすることができないさま。


一念発起(いちねんほっき)
漢数字の「一」、念仏の「念」、発車の「発」、六時起床の「起」、と書いて一念発起。
あることを成し遂げようと強く心に決めること。もとは仏教語で、仏門に入り、悟りを開くことを決心すること。


一網打尽(いちもうだじん)
漢数字の「一」、網膜の「網」、打撃の「打」、尽力するの「尽」、と書いて一網打尽。
一度打った網ですべての魚を捕らえること。転じて、ある一味に所属するもの全員を一度に捕まえること。


一触即発(いっしょくそくはつ)
漢数字の「一」、触発の「触」、即座の「即」、発見の「発」、と書いて一触即発。
少し触れただけですぐに爆発してしまいそうな状態という意味から、ちょっとしたきっかけで重大な事件に発展してしまうほど危険な状態をいう。


一朝一夕(いっちょういっせき)
漢数字の「一」、朝食の「朝」、漢数字の「一」、夕食の「夕」、と書いて一朝一夕。
非常に短い期間。わずかな時間のたとえ。


有為転変(ういてんぺん)
有益の「有」、迷惑行為の「為」、回転寿司の「転」、変化の「変」、と書いて有為転変。
世の中のすべての存在や現象は絶えず変化をしているため、少しの間も同じ状態にとどまることがないこと。


有象無象(うぞうむぞう)
有益の「有」、現象の「象」、無理の「無」、現象の「象」、と書いて有象無象。
宇宙に存在する有形・無形の一切のもの。森羅万象。転じて、数は多いが、雑多なつまらない人や物。ろくでもない連中や物のこと。


雲散霧消(うんさんむしょう)
雲隠れの「雲」、散歩の「散」、霧雨の「霧」、消化の「消」、と書いて雲散霧消。
雲や霧が散って消えるように、物事が跡形もなく消え失せること。


音吐朗朗(おんとろうろう)
音楽の「音」、吐息の「吐」、朗読の「朗」を二つ書いて音吐朗朗。
声がはっきりしていて、さわやかなさま。


危機一髪(ききいっぱつ)
危機が迫るの「危機」、漢数字の「一」、髪の毛の「髪」、と書いて危機一髪。
髪の毛一本ほどのわずかな違いで、危機に陥りそうなきわどい状態のこと。


疑心暗鬼(ぎしんあんき)
疑惑の「疑」、心配の「心」、暗黒の「暗」、赤鬼の「鬼」、と書いて疑心暗鬼。
疑う心が強くなり、なんでもないことまでも恐ろしく感じたり、疑わしく思えたりすること。


奇想天外(きそうてんがい)
奇抜の「奇」、予想の「想」、天井の「天」、内外の「外」、と書いて奇想天外。
普通の人には思いもよらないような奇抜なこと。


鬼面仏心(きめんぶっしん)
赤鬼の「鬼」、顔面の「面」、仏像の「仏」、安心の「心」、と書いて鬼面仏心。
外見は恐ろしいが、内面はとても優しいこと。鬼のような顔に、仏のような心ということから。


狂喜乱舞(きょうきらんぶ)
熱狂の「狂」、喜劇の「喜」、乱入の「乱」、舞台の「舞」、と書いて狂喜乱舞。
非常に喜ぶこと。「狂喜」は狂おしいほど喜ぶこと。「乱舞」は踊り狂うこと。


驚天動地(きょうてんどうち)
驚愕の「驚」、天井の「天」、動物の「動」、地球の「地」、と書いて驚天動地。
「天を驚かせ、地を動かす」ということから、世間を大いに驚かせること。


挙国一致(きょこくいっち)
挙手の「挙」、日本国の「国」、意見が一致するの「一致」、と書いて挙国一致。
国全体が、ある目的に向かって一体となること。


金城鉄壁(きんじょうてっぺき)
金曜日の「金」、城壁の「城」、鉄道の「鉄」、城壁の「壁」、と書いて金城鉄壁。
非常に守りが堅い城。また、非常に守りが堅く、すきがない物事のたとえ。類義語に「金城湯池(きんじょうとうち)」がある。


兼愛無私(けんあいむし)
男女兼用の「兼」、愛情の「愛」、無理の「無」、私物の「私」、と書いて兼愛無私。
自分と他人の区別なく、広く人を愛すること。


言行一致(げんこういっち)
言語の「言」、行動の「行」、意見が一致するの「一致」、と書いて言行一致。
発言と行動が、矛盾なく一致していること。


言文一致(げんぶんいっち)
言語の「言」、文章の「文」、意見が一致するの「一致」、と書いて言文一致。
日常の話し言葉を用いて、文章を書くこと。また、明治時代に起きた文体改革運動をいう。


好機到来(こうきとうらい)
好都合の「好」、機会の「機」、到着の「到」、来客の「来」、と書いて好機到来。
絶好の機会がめぐってくること。


光彩陸離(こうさいりくり)
栄光の「光」、色彩の「彩」、陸上の「陸」、離別の「離」、と書いて光彩陸離。
光が入り乱れて、まばゆいばかりに美しく輝くさま。


公序良俗(こうじょりょうぞく)
公務員の「公」、秩序の「序」、良質の「良」、風俗の「俗」、と書いて公序良俗。
公の秩序と善良な風俗。国家・社会において、妥当性が認められる道徳観のこと。公序良俗に反する内容の法律行為は無効とされる。


公明正大(こうめいせいだい)
公務員の「公」、明治時代の「明」、正義の「正」、大小の「大」、と書いて公明正大。
私心がさしはさまれることなく、公正であるさま。類義語に「公平無私(こうへいむし)」がある。


呉越同舟(ごえつどうしゅう)
呉服の「呉」、超越の「越」、同姓同名の「同」、手こぎの舟の「舟」、と書いて呉越同舟。
仲の悪い者同士が同じ場所に居合わせたり、行動を共にしたりすること。


極楽往生(ごくらくおうじょう)
極上の「極」、楽園の「楽」、往復の「往」、誕生の「生」、と書いて極楽往生。
この世を去り、極楽に生まれ変わること。また、安らかにこの世を去ること。


孤立無援(こりつむえん)
孤立するの「孤立」、無理の「無」、援助の「援」、と書いて孤立無援。
ひとりぼっちで、助けてくれるものが誰もいないさま。


五里霧中(ごりむちゅう)
漢数字の「五」、里帰りの「里」、霧雨の「霧」、中国の「中」、と書いて五里霧中。
深い霧の中をさまよっているように、見通しや方針が立たないこと。


歳月不待(さいげつふたい)
十八歳の「歳」、月曜日の「月」、不可能の「不」、招待するの「待」、と書いて歳月不待。
年月というものは人の都合に左右されることなく、刻々と過ぎていくということ。時間は大切にするべきだという戒めにも使われる。


色即是空(しきそくぜくう)
色彩の「色」、即座の「即」、是非の「是」、空気の「空」、と書いて色即是空。
仏教で教えで、この世に存在するすべてのものは、固定的実体がなく空(くう)であるということ。


自己矛盾(じこむじゅん)
自己紹介の「自己」、に「矛盾」、と書いて自己矛盾。
自分自身の考えや行動に、食い違いが生じること。


志操堅固(しそうけんご)
志望する大学の「志」、ラジオ体操の「操」、堅固な城の「堅固」、と書いて志操堅固。
志や主義・主張などを堅く守り、変えないこと。「志操」は堅く守って変えない志のこと。


失笑噴飯(しっしょうふんぱん)
失敗の「失」、爆笑の「笑」、噴水の「噴」、ご飯の「飯」、と書いて失笑噴飯。
おかしさのあまり、こらえきれずに吹き出して笑うこと。また、こらえきれずに食べているものを吹き出して笑うこと。


縦横無尽(じゅうおうむじん)
縦横に走る道の「縦横」、無理の「無」、尽力するの「尽」、と書いて縦横無尽。
物事を自由自在に行うさま。また、思う存分に行うさま。


主客転倒(しゅかくてんとう)
主人の「主」、客席の「客」、滑って転倒するの「転倒」、と書いて主客転倒。
主人と客人の立場が逆になるということから、物事の立場、順序、重要度などが逆になること、また、それらを取り違えることをいう。類義語に「本末転倒(ほんまつてんとう)」がある。


熟慮断行(じゅくりょだんこう)
成熟の「熟」、遠慮の「慮」、決断の「断」、旅行の「行」、と書いて熟慮断行。
十分に考えた上で、思い切って行動にうつすこと。


小心翼翼(しょうしんよくよく)
小心者の「小心」、右翼左翼の「翼」を二つ書いて小心翼翼。
気が小さくて、びくびくしている様子。また、慎み深く細かいところにまで気をくばる様子。


初志貫徹(しょしかんてつ)
初回の「初」、志望校の「志」、貫通の「貫」、徹底的の「徹」、と書いて初志貫徹。
初めに持った志を、最後まで貫き通すこと。


自力更生(じりきこうせい)
自力で這い上がるの「自力」、変更の「更」、生活の「生」、と書いて自力更生。
他人の助けに頼らず、自力で生活を改めていくこと。


思慮分別(しりょふんべつ)
思想の「思」、遠慮の「慮」、五分前の「分」、区別の「別」、と書いて思慮分別。
物事に深く考えをめぐらし、慎重に判断すること。また、その能力のこと。「思慮」は注意深く考えること。「分別」は物事の道理をわきまえること。


尋常一様(じんじょういちよう)
尋常じゃないの「尋常」、漢数字の「一」、様子の「様」、と書いて尋常一様。
普通と異なることがないこと。ごくあたりまえなさま。「尋常」は普通やあたりまえということ。「一様」は同じさま、平均的であること。


信賞必罰(しんしょうひつばつ)
信用の「信」、賞金の「賞」、必要の「必」、罰則の「罰」、と書いて信賞必罰。
賞と罰を厳格に行うこと。功績がある者には必ず賞を与え、罪を犯した者には必ず罰を与えること。


人跡未踏(じんせきみとう)
人類の「人」、古代遺跡の「跡」、未来の「未」、踏襲の「踏」、と書いて人跡未踏。
今までに一度も、人が足を踏み入れたことがないこと。「人跡」は人の足跡ということ。


身体髪膚(しんたいはっぷ)
身体検査の「身体」、髪の毛の「髪」、皮膚の「膚」、と書いて身体髪膚。
からだ全体のこと。


震天動地(しんてんどうち)
震災の「震」、天井の「天」、動物の「動」、地球の「地」、と書いて震天動地。
天地を震動させるほどの、大変な出来事や大音響のこと。


人品骨柄(じんぴんこつがら)
人類の「人」、品格の「品」、骨盤の「骨」、人柄の「柄」、と書いて人品骨柄。
その人の人柄や風体(ふうてい)のこと。


晴好雨奇(せいこううき)
晴天の「晴」、好都合の「好」、雨天の「雨」、奇抜の「奇」、と書いて晴好雨奇。
晴れても雨が降っても、それぞれに趣のある素晴らしい景色のこと。


清廉潔白(せいれんけっぱく)
清潔の「清」、廉価の「廉」、清潔の「潔」、純白の「白」、と書いて清廉潔白。
心が清くて、私利私欲や後ろめたいことがまったくないさま。


是是非非(ぜぜひひ)
是非を問うの「是」を二つ、「非」を二つ書いて是是非非。
良いことは良い、悪いことは悪いと、物事を客観的・公平に判断すること。


是非曲直(ぜひきょくちょく)
是非を問うの「是非」、曲線の「曲」、直線の「直」、と書いて是非曲直。
物事の正邪や善悪のこと。「是非」は正しいことと、正しくないこと。「曲直」は曲がったことと、まっすぐなこと。類義語に「是非善悪(ぜひぜんあく)」がある。


千客万来(せんきゃくばんらい)
漢数字の「千」、来客の「客」、漢数字の「万」、来客の「来」、と書いて千客万来。
多くの客が入れ替わり立ち替わりやってくること。「せんかくばんらい」とも読む。


千差万別(せんさばんべつ)
漢数字の「千」、差別の「差」、漢数字の「万」、差別の「別」、と書いて千差万別。
様々な違いがあり、同じでないこと。


千紫万紅(せんしばんこう)
漢数字の「千」、紫色の「紫」、漢数字の「万」、紅茶の「紅」、と書いて千紫万紅。
様々な花の色のこと。また、色とりどりに咲き乱れる花のこと。


前人未到(ぜんじんみとう)
前後左右の「前」、人類の「人」、未来の「未」、到達の「到」、と書いて前人未到。
いまだかつて誰も到達していないこと。


千変万化(せんぺんばんか)
漢数字の「千」、変化の「変」、漢数字の「万」、変化の「化」、と書いて千変万化。
状況や形などが、様々に変化すること。


千慮一失(せんりょのいっしつ)
漢数字の「千」、遠慮の「慮」、漢数字の「一」、失敗の「失」、と書いて千慮一失。
賢い人でも、多くの考えの中に一つくらいは誤りもあるということ。


千慮一得(せんりょのいっとく)
漢数字の「千」、遠慮の「慮」、漢数字の「一」、損得の「得」、と書いて千慮一得。
愚か者でも多く考えていれば、一度くらいは名案をひねり出すことがあるということ。類義語に「愚者一得(ぐしゃのいっとく)」がある。


善隣友好(ぜんりんゆうこう)
善悪の「善」、隣人の「隣」、友人の「友」、好意を寄せるの「好」、と書いて善隣友好。
隣の国と友好関係を結ぶこと。


創意工夫(そういくふう)
独創的の「創」、意識の「意」、工夫を凝らすの「工夫」、と書いて創意工夫。
これまでになかったような方法や手段を考えだすこと。


草行露宿(そうこうろしゅく)
草原の「草」、旅行の「行」、露出の「露」、宿泊の「宿」、と書いて草行露宿。
草の生い茂った道なき道を野宿しながら進んでいくということから、非常につらく苦しい旅をすること。


速戦即決(そくせんそっけつ)
迅速の「速」、戦争の「戦」、即座の「即」、決定の「決」、と書いて速戦即決。
戦いにおいて、短時間で勝利をおさめようとすること。


即断即決(そくだんそっけつ)
即座の「即」、決断の「断」、即座の「即」、決定の「決」、と書いて即断即決。
その場ですぐに判断して決めること。


率先垂範(そっせんすいはん)
率先して行うの「率先」、垂直の「垂」、模範の「範」、と書いて率先垂範。
先立って模範を示すこと。「垂範」は模範を示すこと。


多事多端(たじたたん)
多少の「多」、事件の「事」、多少の「多」、極端の「端」、と書いて多事多端。
仕事が多く、たいへん忙しいこと。


知者不惑(ちしゃふわく)
知識の「知」、第三者の「者」、不可能の「不」、困惑の「惑」、と書いて知者不惑。
物事の道理をわきまえた賢い者は、判断に迷うことがないということ。


朝三暮四(ちょうさんぼし)
朝食の「朝」、漢数字の「三」、お歳暮の「暮」、漢数字の「四」、と書いて朝三暮四。
目先の違いや利害にとらわれて、結局は同じ結果になるということに気づかないこと。また、うまい言葉で人をだますこと。中国の故事で、猿にトチの実を朝に三つ、暮れに四つやるというと怒りだしたため、朝に四つ、暮れに三つやると言ったら大いに喜んだということから。


沈思黙考(ちんしもっこう)
沈黙の「沈」、思惑の「思」、沈黙の「黙」、考察の「考」、と書いて沈思黙考。
沈黙して物事を深く考えること。


徹頭徹尾(てっとうてつび)
徹底的の「徹」、頭部の「頭」、徹底的の「徹」、尾てい骨の「尾」、と書いて徹頭徹尾。
最初から最後までということ。


同床異夢(どうしょういむ)
同情の「同」、六時起床の「床」、異世界の「異」、夢中の「夢」、と書いて同床異夢。
同じ床で寝ていても、人それぞれ違う夢を見るということ。転じて、行動を共にしている仲間でも考え方や目的が、それぞれ異なること。


日常茶飯(にちじょうさはん)
日常の生活の「日常」、喫茶店の「茶」、ご飯の「飯」、と書いて日常茶飯。
毎日の食事。転じて、ごくありふれた事柄。


破顔一笑(はがんいっしょう)
破壊の「破」、顔面の「顔」、漢数字の「一」、爆笑の「笑」、と書いて破顔一笑。
顔をほころばせて、にっこりと笑うこと。


波及効果(はきゅうこうか)
全国に波及するの「波及」、効果が現れるの「効果」、と書いて波及効果。
だんだんと広い範囲に広がっていく、物事の効き目や影響のこと。


薄志弱行(はくしじゃっこう)
軽薄の「薄」、志望校の「志」、強弱の「弱」、旅行の「行」、と書いて薄志弱行。
意志が弱く、ことを実行する力に乏しいこと。


白砂青松(はくしゃせいしょう)
紅白の「白」、土砂の「砂」、青春の「青」、松の木の「松」、と書いて白砂青松。
白い砂浜と、青い松。美しい海岸の風景のこと。


薄利多売(はくりたばい)
軽薄の「薄」、利益の「利」、多数決の「多」、販売の「売」、と書いて薄利多売。
一点あたりの利益を少なくすることによって、品物を安くし、大量に売り上げることによって全体の利益を多くすること。


万緑一紅(ばんりょくいっこう)
漢数字の「万」、緑茶の「緑」、漢数字の「一」、紅茶の「紅」、と書いて万緑一紅。
一面に広がる緑の中に、たった一点の紅い花があり、ひときわ目立っている様子。また、多くの男性の中に、たった一人女性がまじっていること。


美辞麗句(びじれいく)
美術の「美」、辞職の「辞」、容姿端麗の「麗」、俳句の「句」、と書いて美辞麗句。
うわべだけを美しく飾り立てた、聞いていて心地の良いことば。


美人薄命(びじんはくめい)
彼女は美人だの「美人」、軽薄の「薄」、命日の「命」、と書いて美人薄命。
容姿が美しい人は、不運であったり短命であるものが多いということ。類義語に「佳人薄命(かじんはくめい)」がある。


百鬼夜行(ひゃっきやこう)
漢数字の「百」、赤鬼の「鬼」、夜間の「夜」、旅行の「行」、と書いて百鬼夜行。
いろいろな妖怪が夜中に列をなして歩くこと。また、得体の知れない多くの人たちが、勝手気ままに振る舞うこと。


比翼連理(ひよくれんり)
比較の「比」、右翼左翼の「翼」、連合の「連」、理論の「理」、と書いて比翼連理。
男女の情愛がきわめて深いこと。夫婦の仲がむつまじいことのたとえ。


浮石沈木(ふせきちんぼく)
浮力の「浮」、岩石の「石」、撃沈の「沈」、大木の「木」、と書いて浮石沈木。
大衆の無責任な言論が、世の理に反して力をもつこと。水に沈むはずの石を浮かせ、水に浮くはずの木を沈めるということから。


不即不離(ふそくふり)
不可能の「不」、即座の「即」、不可能の「不」、離別の「離」、と書いて不即不離。
二つのものの関係が近すぎるわけでもなく、また離れすぎてもいないようす。つかずはなれず。


舞文曲筆(ぶぶんきょくひつ)
舞台の「舞」、文章の「文」、曲線の「曲」、筆記試験の「筆」、と書いて舞文曲筆。
言葉を故意にもてあそび、事実を曲げて文章を書くこと。


粉飾決算(ふんしょくけっさん)
粉末の「粉」、装飾品の「飾」、決算発表の「決算」、と書いて粉飾決算。
会社が故意に、経営成績や財政状態を実際より良く見せるために財務諸表の数字をごまかすこと。


平平凡凡(へいへいぼんぼん)
平凡の「平」を二つ、平凡の「凡」を二つ書いて平平凡凡。
きわめて平凡であるようす。「平凡」を二つ重ねて意味を強めた言葉。


妙計奇策(みょうけいきさく)
奇妙の「妙」、計算の「計」、奇妙の「奇」、策略の「策」、と書いて妙計奇策。
誰もが想像できなかったような、奇抜で優れたはかりごと。


無為自然(むいしぜん)
無理の「無」、人為的の「為」、大自然の「自然」、と書いて無為自然。
人の手を加えることなく、自然のままであること。老荘思想の基本的な立場を表した言葉。


無為無策(むいむさく)
無理の「無」、人為的の「為」、無理の「無」、策略の「策」、と書いて無為無策。
何の方策も立てることができずに、ただ手をこまねいて見ているしかないこと。


無我夢中(むがむちゅう)
無理の「無」、我武者羅の「我」、夢中になるの「夢中」、と書いて無我夢中。
ある物事に熱中して、我を忘れること。


無味乾燥(むみかんそう)
無理の「無」、興味の「味」、乾燥した空気の「乾燥」、と書いて無味乾燥。
味わいや面白みがないさま。


迷惑千万(めいわくせんばん)
迷惑行為の「迷惑」、漢数字の「千」、漢数字の「万」、と書いて迷惑千万。
極めて迷惑であるさま。「千万」は程度の甚だしいこと。


夜郎自大(やろうじだい)
夜間の「夜」、新郎新婦の「郎」、自分の「自」、大小の「大」、と書いて夜郎自大。
自分の力量も知らずに、威張ることのたとえ。「夜郎」は中国、漢の時代にあった小国の名前。「自大」は自らいばって尊大に構えること。夜郎の王が漢の強大さを知らずに、漢からやってきた使者に対して自国の力を誇ったことから。


用意周到(よういしゅうとう)
食事の用意をするの「用意」、世界一周の「周」、到達の「到」、と書いて用意周到。
何事にも用意が行き届いていて、十分に整っていること。「周到」は手落ちがなく、よく行き届いていること。


要害堅固(ようがいけんご)
要注意の「要」、害悪の「害」、堅実の「堅」、固定の「固」、と書いて要害堅固。
地形が険しくて防備が固く、攻め落とすのが難しいようす。


容姿端麗(ようしたんれい)
容姿の整った人の「容姿」、端正な顔立ちの「端」、に「麗しい」と書いて容姿端麗。
顔立ちや姿が整っていて美しいさま。


離合集散(りごうしゅうさん)
離別の「離」、合流の「合」、集合住宅の「集」、散歩の「散」、と書いて離合集散。
離れたり、また集まったりすること。


論旨明快(ろんしめいかい)
論理の「論」、主旨の「旨」、明治時代の「明」、快適の「快」、と書いて論旨明快。
議論や文章の筋道がしっかりしていて、主旨が分かりやすいこと。