耳から覚える四字熟語 レッスン1 テキスト
悪事千里(あくじせんり)
邪悪の「悪」、事件の「事」、漢数字の「千」、里帰りの「里」、と書いて悪事千里。
悪い行いや評判は、あっという間に千里を走り抜けるかのごとく、世間に知れ渡るのが早いということ。
異口同音(いくどうおん)
異世界の「異」、目鼻口の「口」、同姓同名の「同」、音楽の「音」、と書いて異口同音。
たくさんの人が口をそろえて同じことを言うこと。また、たくさんの人の意見が一致すること。
一言半句(いちごんはんく)
漢数字の「一」、言語の「言」、半分の「半」、俳句の「句」、と書いて一言半句。
わずかの言葉。ほんの少しの言葉のこと。類義語に「片言隻句(へんげんせきく)」がある。
一日千秋(いちじつせんしゅう)
漢数字の「一」、休日の「日」、漢数字の「千」、読書の秋の「秋」と書いて一日千秋。
非常に待ち遠しいこと。一日会わないことで随分と長く会っていないような気持ちがすること。類義語に「一日三秋(いちじつさんしゅう)」がある。
一罰百戒(いちばつひゃっかい)
漢数字の「一」、罰則の「罰」、漢数字の「百」、に「戒める」、と書いて一罰百戒。
罪を犯した一人を罰して、それをその他多くの人の戒めとすること。
一病息災(いちびょうそくさい)
漢数字の「一」、病気の「病」、休息をとるの「息」、災害の「災」、と書いて一病息災。
持病の一つでもあった方が、無病の人よりも体を大切にするため、かえって健康で長生きをするということ。「息災」は身にさわりのないこと、健康であるということ。
一枚看板(いちまいかんばん)
一枚二枚の「一枚」、立て看板の「看板」、と書いて一枚看板。
団体の中の中心人物のこと。また、大した取り柄も無いが唯一誇ることができるもの。歌舞伎劇場の入り口に掲げられる外題(げだい)と主な役者を書いた看板が語源となっている。
一刻千金(いっこくせんきん)
漢数字の「一」、刻印の「刻」、漢数字の「千」、金曜日の「金」、と書いて一刻千金。
ほんの少しの時間が千金にも相当するほど貴重であるということ。楽しい時間や大切な時間が、瞬く間に過ぎ去ってしまうことを、惜しんでいう言葉。また、時間を無駄にすることを戒める言葉としても使われる。
一子相伝(いっしそうでん)
漢数字の「一」、子供の「子」、相談の「相」、伝説の「伝」、と書いて一子相伝。
学問や技芸などの奥義を、自分の子供の中の一人だけに教え、伝えること。
一進一退(いっしんいったい)
漢数字の「一」、進路の「進」、漢数字の「一」、退却の「退」、と書いて一進一退。
進んだり、退いたりすること。また、状況などが良くなったり悪くなったりすること。
一世一代(いっせいちだい)
漢数字の「一」、世界の「世」、漢数字の「一」、代々伝わるの「代」、と書いて一世一代。
一生のうち、たった一度だけのこと。また、役者などが引退する前に仕納め(しおさめ)として得意の芸を演じること。
一長一短(いっちょういったん)
漢数字の「一」、長所の「長」、漢数字の「一」、短所の「短」、と書いて一長一短。
長所もあるが、短所もあるということ。良い面も悪い面もあって完璧ではないこと。
意味深長(いみしんちょう)
意味があるの「意味」、に「深い」、「長い」、と書いて意味深長。
詩文や人の言動などの意味が奥深く、含みがあるさま。また、表面の意味のほかにも別の意味が隠されているさま。
因果応報(いんがおうほう)
原因の「因」、結果の「果」、応援の「応」、報道の「報」、と書いて因果応報。
過去や前世で良い行いをした人には良い報いがあり、悪い行いをした人には悪い報いがあるということ。
右往左往(うおうさおう)
右左(みぎひだり)の「右」、往復の「往」、右左の「左」、往復の「往」、と書いて右往左往。
あわてふためいて、あちらこちらへと行ったり来たりすること。混乱した状態などをいう。
下意上達(かいじょうたつ)
上下の「下」、意見の「意」、上下の「上」、到達の「達」、と書いて下意上達。
下の者の考えや意見が、上の者に達すること。対義語に「上意下達(じょういかたつ)」がある。
我田引水(がでんいんすい)
我々の「我」、田んぼの「田」、引力の「引」、水曜日の「水」、と書いて我田引水。
自分の田んぼにだけ水を引き入れるという意味から、自分に都合の良いように説明したり、事を進めたりすること。
眼高手低(がんこうしゅてい)
眼球の「眼」、高学年の「高」、手足の「手」、低学年の「低」、と書いて眼高手低。
批評をすることには優れているが、実際に手を動かすとなると下手であること。また、理想は高いのだが、それに実力が伴わないこと。
牛飲馬食(ぎゅういんばしょく)
牛乳の「牛」、飲食の「飲」、乗馬の「馬」、食事の「食」、と書いて牛飲馬食。
牛が水を飲み、馬が草をたべるように、大量に飲み食いをすること。類義語に「鯨飲馬食(げいいんばしょく)」がある。
旧態依然(きゅうたいいぜん)
旧正月の「旧」、悪い状態の「態」、依存の「依」、自然の「然」、と書いて旧態依然。
昔のままで変化や発展が少しもないさま。「旧態」は昔からのありさまや状態のこと。「依然」はもとのままで変わらないさま。
金科玉条(きんかぎょくじょう)
金銀銅の「金」、好きな科目の「科」、百円玉の「玉」、条件の「条」、と書いて金科玉条。
極めて大切で、絶対的なよりどころとなるような決まりや法律のこと。
空理空論(くうりくうろん)
空白の「空」、理論の「理」、空白の「空」、理論の「論」、と書いて空理空論。
現実とかけ離れた、役に立たない理論や考えのこと。
群雄割拠(ぐんゆうかっきょ)
イワシの大群の「群」、英雄の「雄」、分割の「割」、拠点の「拠」、と書いて群雄割拠。
多くの英雄たちが各地で勢力争いをおこない、互いに対立している様子。中国や日本の戦国時代のような状況のこと。
月下氷人(げっかひょうじん)
月曜日の「月」、上下の「下」、氷山の「氷」、人類の「人」、と書いて月下氷人。
結婚の仲立ちをするひと。仲人(なこうど)や媒酌人(ばいしゃくにん)のこと。
厚顔無恥(こうがんむち)
濃厚の「厚」、顔面の「顔」、無理の「無」、恥知らずの「恥」、と書いて厚顔無恥。
あつかましく、恥知らずであること。「厚顔」はあつかましいということ。「無恥」は恥知らずということ。
古今東西(ここんとうざい)
古典の「古」、今から行くの「今」、東西南北の「東西」、と書いて古今東西。
昔から現在までと、東西四方のすべてのところ。いつでも、どこでも。
言語道断(ごんごどうだん)
言語学の「言語」、道路の「道」、断絶の「断」、と書いて言語道断。
言葉で言い表すことができないこと。また、それほどひどいこと。もとは仏教語で、仏教の奥深い真理は言葉で説明することができないという意味であるが、現在では多く、悪い意味に使われている。
才色兼備(さいしょくけんび)
才能の「才」、色とりどりの「色」、に「兼ねる」、「備える」、と書いて才色兼備。
優れた才能と、美しい容姿を兼ね備えていること。主に女性に対していう。
採長補短(さいちょうほたん)
昆虫採集の「採」、長所の「長」、補欠の「補」、短所の「短」、と書いて採長補短。
他人の長所を取り入れて、自分の短所を補うこと。
三寒四温(さんかんしおん)
漢数字の「三」、寒い冬の「寒い」、漢数字の「四」、温度計の「温」、と書いて三寒四温。
三日くらい寒い日が続いた後に、四日ほど暖かい日が続き、これを繰り返す現象。
舌先三寸(したさきさんずん)
猫舌の「舌(した)」、先に家を出るの「先」、一寸二寸三寸の「三寸」、と書いて舌先三寸。
口先だけで巧みに相手をあしらうこと。また、そのような誠実さに欠けるうわべだけのうまい言葉。「舌三寸(したさんずん)」ともいう。
酒池肉林(しゅちにくりん)
お酒の「酒」、古池の「池」、肉料理の「肉」、森林の「林」、と書いて酒池肉林。
酒や食べ物が豊富にある、贅沢を極めた宴。酒が池のようにあり、肉が林のようにならんでいるということから。
人海戦術(じんかいせんじゅつ)
人類の「人」、日本海の「海」、戦争の「戦」、手術の「術」と書いて人海戦術。
多くの兵力を投入することで、数の力を利用し敵軍を圧倒しようとする戦法。転じて、多人数でものごとにあたりそれを達成しようとする方法のこと。
人事不省(じんじふせい)
人事部の「人事」、不可能の「不」、反省の「省」と書いて人事不省。
意識不明の状態になること。「人事」は人のなし得ること、人の力でできること。「不省」はわきまえないこと、省みないこと。
新進気鋭(しんしんきえい)
新聞の「新」、進歩の「進」、気合いの「気」、鋭利の「鋭」と書いて新進気鋭。
ある分野に新たに登場したばかりであっても、勢い盛んで将来が有望であるさま。
頭寒足熱(ずかんそくねつ)
頭脳の「頭」、寒い冬の「寒い」、手足の「足」、熱帯の「熱」、と書いて頭寒足熱。
頭部を冷やして、足を暖かい状態にすること。健康に良いとされている。
晴耕雨読(せいこううどく)
晴天の「晴」、耕作地の「耕」、雨天の「雨」、読書の「読」、と書いて晴耕雨読。
晴れた日は外で田畑を耕し、雨の日は家の中で読書をすること。悠悠自適に過ごしていることをいう。
青天白日(せいてんはくじつ)
青空の「青」、天気の「天」、紅白の「白」、休日の「日」、と書いて青天白日。
晴れわたった空と太陽。転じて、人に隠しているような、やましいことがまったくないこと。また、無罪が明らかになること。
浅学非才(せんがくひさい)
浅い知識の「浅い」、学問の「学」、非常事態の「非」、才能の「才」、と書いて浅学非才。
学識が乏しく、また才能もないこと。自分のことを謙遜して言う言葉。
前途洋洋(ぜんとようよう)
前後左右の「前」、途中の「途」、太平洋の「洋」を二つ書いて前途洋洋。
将来が明るく希望に満ちているさま。「前途」はこの先の道のり、将来のこと。「洋洋」は水が満ちていて広々としたさま。類義語に「前途有望(ぜんとゆうぼう)」がある。
相思相愛(そうしそうあい)
相談の「相」、思想の「思」、相談の「相」、愛情の「愛」、と書いて相思相愛。
男女が互いに愛し合っていること。
則天去私(そくてんきょし)
法則の「則」、天井の「天」、消去の「去」、私立大学の「私」、と書いて則天去私。
私心にとらわれず、自然に身をゆだねて生きること。「則天」は天地自然の法則に従うこと。「去私」は私心を捨てること。夏目漱石が晩年に残したとされる言葉。
大器晩成(たいきばんせい)
大小の「大」、食器の「器」、朝晩の「晩」、成長の「成」、と書いて大器晩成。
大きな器は完成するまでに長い時間を要することから、偉大な人物の才能が開花しそれが世に出るまでには、相応の長い時間を要するということ。
大義名分(たいぎめいぶん)
大小の「大」、恩義の「義」、有名人の「名」、分解の「分」、と書いて大義名分。
ある行動を起こすにあたっての根拠。また、人として、臣民として、守るべき道義や節度。
談論風発(だんろんふうはつ)
談笑の「談」、言論の「論」、風力発電の「風」、爆発の「発」、と書いて談論風発。
話し合いや議論を盛んに行うこと。
朝令暮改(ちょうれいぼかい)
朝食の「朝」、命令の「令」、お歳暮の「暮」、改善の「改」、と書いて朝令暮改。
朝に出された命令が、夕方には改められてしまうこと。方針などがすぐに変更されてしまい、あてにならないこと。
適材適所(てきざいてきしょ)
適正の「適」、材料の「材」、適正の「適」、場所の「所」、と書いて適材適所。
その人の能力や性質に応じて、適した地位や仕事に就けること。
手練手管(てれんてくだ)
手足の「手」、練習の「練」、手足の「手」、水道管の「管」、と書いて手練手管。
人をだまして操る技術や手段のこと。「手練」も「手管」も、ともに人をだます技術や手段のこと。同義語を二つ重ねて意味を強めた言葉。
電光石火(でんこうせっか)
電気の「電」、光沢の「光」、石頭の「石」、火曜日の「火」、と書いて電光石火。
稲妻が輝く瞬間や、火打石(ひうちいし)が火を放つときのようなごく短い時間のこと。転じて、行動や動作などが非常に早いさまをいう。
当意即妙(とういそくみょう)
当然の「当」、意見の「意」、即座の「即」、奇妙の「妙」、と書いて当意即妙。
その場の状況や変化に応じて、機転を利かせて素早く対応すること。また、そのようなさま。
独立独歩(どくりつどっぽ)
独立宣言の「独立」、独立宣言の「独」、に「歩く」、と書いて独立独歩。
他者からの影響や支配を受けずに、自分の思うとおりに行動すること。
難攻不落(なんこうふらく)
困難の「難」、攻撃の「攻」、不可能の「不」、没落の「落」、と書いて難攻不落。
攻めるのが難しく、容易には陥落しないこと。また、いくら働きかけても、こちらの思い通りにならないことのたとえ。
南船北馬(なんせんほくば)
東西南北の「南」、蒸気船の「船」、東西南北の「北」、乗馬の「馬」、と書いて南船北馬。
中国では、南部には川が多いので船を使い、北部には陸地や山が多いので馬を使って移動したことから、各地をせわしく旅行していることをいう。
博覧強記(はくらんきょうき)
博覧会の「博覧」、強弱の「強」、記録の「記」、と書いて博覧強記。
広く書物を読み、その内容をよく覚えていること。知識が豊富なこと。
馬耳東風(ばじとうふう)
乗馬の「馬」、耳鼻科の「耳」、東西南北の「東」、風力発電の「風」、と書いて馬耳東風。
他人の意見や批判を、特に気にすることもなく聞き流すことのたとえ。「東風」は春風のことで、春風が吹くと人は喜ぶが馬は何も感じていないように見えることから。
飛花落葉(ひからくよう)
飛行機の「飛」、花火の「花」、落語の「落」、葉っぱの「葉」、と書いて飛花落葉。
移り変わる世の中が無常であることのたとえ。咲いた花もやがては風に散り、秋には葉も枯れ落ちるということから。
表裏一体(ひょうりいったい)
表面の「表」、裏面の「裏」、漢数字の「一」、体力の「体」、と書いて表裏一体。
二つのものの関係が密接であること。一つのものの表と裏のように繋がっていて、切り離すことができないこと。
不可抗力(ふかこうりょく)
不可能の「不可」、抗生物質の「抗」、体力の「力」、と書いて不可抗力。
天変地異など、人間の力ではどうすることもできないこと。
平身低頭(へいしんていとう)
平凡の「平」、身体測定の「身」、低気圧の「低」、先頭に立つの「頭」、と書いて平身低頭。
体をかがめて、頭を低く下げるなどをしてひたすら恐縮すること。また、ひたすらわびること。
本末転倒(ほんまつてんとう)
本質の「本」、週末の「末」、滑って転倒するの「転倒」、と書いて本末転倒。
物事の根本的な事と、ささいな事を取り違えること。
明鏡止水(めいきょうしすい)
明確の「明」、反射鏡の「鏡」、静止画の「止」、水曜日の「水」、と書いて明鏡止水。
くもりのない綺麗な鏡と、静止している水ということから、邪念がなく、澄み切った静かな心境をいう。
面従腹背(めんじゅうふくはい)
面接の「面」、従属の「従」、腹痛の「腹」、背面跳びの「背」、と書いて面従腹背。
表面では従うように見せかけて、内心では従わず反抗すること。
有名無実(ゆうめいむじつ)
有名人の「有名」、無理の「無」、実験の「実」、と書いて有名無実。
名ばかりが立派で、実質が伴わないこと。
臨機応変(りんきおうへん)
臨時の「臨」、機会の「機」、応援の「応」、変化の「変」、と書いて臨機応変。
その時、その場の状況変化に応じて適切な手段や処置をとること。
和洋折衷(わようせっちゅう)
和式の「和」、洋式の「洋」、折衷案の「折衷」、と書いて和洋折衷。
日本と西洋の様式をほどよく取り混ぜること。「折衷」は複数の物事や意見などの良い部分を、ほどよく取り混ぜて一つにすること。